Room 206
206号室
やぁ。ここでは、"君"に協力してもらった観察記録についてまとめているよ。
彼らへの質問も僕が代わりに聞いてきてあげたんだから、少しは感謝して欲しいのだけど。
挙句の果てには「まだいたの?」って顔をされたんだから。本当、みんな冷たいよね。
※全ED回収後の閲覧を推奨
▼エンディングについての質問・感想
Q. ED3のラストでアデルの髪の毛が灰色がかると思うんですが、なぜあのようになったのですか?
A.
実は森のアトリエ(秘密基地)に「黒の染料」があったんですが、気付いた方はまずいないかもしれません。
本物のユリは黒髪である為、レニーは彼に近付くよう髪を染めさせましたが、これには前述の染料が使われました。
「髪を染める」という文化自体は古くから存在していますが、「何故突然黒くなったのか」と疑問に思うのが当然だと思います。
気になる方は、アトリエをもう一度調べてみてください。
Q. ED5でエリアスが後を追って死ぬのは分かるんですが、火をつけるという手段を取ったことが気になりました。
A.
これは単純に、「こんな場所なくなってしまえ」という意図によるものです。
彼は自身の霊感からこの学園で恐ろしいことが起きている事も分かっていましたし、今までそれを黙っていたのは「現状の変化を望んでいなかったから」。
けれど、同期で仲の良かったクラウス、新しい友達になれたはずのアデル、彼にとって唯一の希望であったフランの死。
そして最後には自身の手でレナードを殺した。
こうなってしまっては、もうエリアス自身に生きる活力などありません。
それでもやはり関係のない子供達を巻き込みたくはないという気持ちがあった彼は、キャンディスに「生徒を連れて大聖堂にいるように」と告げてから校舎に火を放ちます。
最期は2人の思い出が詰まった208号室でクラウスの睡眠薬を飲み、炎に包まれながら息絶えました。
◆「クラウスから貰うものも貰ったし」というのがこの睡眠薬です。
Q. EDによって表示されるバラの赤と青の割合が異なりますが、あれはどのような意図なのでしょうか?
A.
赤い薔薇=アデル 青い薔薇=ユリの象徴となっています。
そして、落ちた花弁はそのEDでの犠牲者(主要生徒のみ)の数。
ご質問の内容であるED3とED6についてですが、
ED3はアデルが「ユリ」として上書きされた為に、赤薔薇に青い染料が掛かった表示に。
ED6は、タイトルの「轍を踏む」の通り、ユリの末路を辿ったアデルという意味で、青薔薇に赤い染料が掛かった表示になっています。
Q. ベルが過去回想の時期を考えると17歳ですでに働いていることが気になりました。
法律で保護される年齢なんかもルークの語りなどで出てきましたが、この世界では成人年齢は何歳ですか?
A.
クレピュスキュールでの成年は18歳です。(エリアス・ミシェルの発言あり)
ただしこの国では中学卒業後には働くことが出来るので、アメリアも現在17歳で働いてます。
それに従い、ベルも同じく17歳の時には既に働いていました。
彼女の家は裕福ですので、わざわざ働く必要もなければ普通に高校にも通えましたが、彼女の「シュテルンツェルトで働きたい」という意思は強く、それに根負けした父親は仕方なく彼女をシュテルンツェルトに預けました。
尚、未成年で働いている使用人達は、労働の他に学習の時間も設けられています。
追記:追加でベルについて質問を頂きましたので追記します。
働いている使用人達に身分や家柄は特に関係ありません。
ベルは裕福ですが、逆にアメリアは庶民の出です。
無茶だと分かりつつも根負けしたのは、ミシェルが転校を望んだ時と同様に甘々なパパのせいです。
Q. クラウスはユリが死んだ後も一年間は生きてたわけですが、なぜ作中のタイミングで自殺に踏み切ったのでしょうか?
A.
死のうと思えばいつだって死ねたはず。ただ、彼の側には常にレナードがいました。
ED5で判明する「罪悪感を更に強めてゆっくり死に追い詰めてやろうとしてたんだけど……」というレナードの発言により、クラウスは暫くの間生かされています。
それと共に、やはり自殺というのはそう簡単に出来るものではありません。
クラウスは当然死にたい気持ちはありつつも、やはり死に対しての恐怖を感じていました。
更にクラウスはレナードが多重人格に侵されていることも分かっていましたし、「自分が死んだら彼がどうなるか」というのも頭の中にありました。
それにより簡単に死ぬ事は出来ず、彼は結局100周年式典まで生き延びています。
しかしアデルが「ユリの生まれ変わり」として100周年式典に立つ時、それは終焉を迎えます。
新しいユリがいるということは、レニーの目的は達成されてしまったということ。
つまり、もう生きていても意味はないのです。(そんなことないよと言いたい)
Q. ED4.6のナハトが言っていた3つの約束を教えてください!
A.
1つはアデルがフランと話した「学長室に忍び込む」という約束。
学長室へ行けばフランとの計画も果たされ、エリアスからの願いも守られます。
もう1つは、エリアスとフランの「アデルを学長室へ行かせる」という約束。
学長室へ行くという選択に変わりはないですが、こちらはアデル自身の約束ではなく、フランとエリアスの約束を守る為の行動になります。
つまり「3つの約束、叶えられるのは一つだけ」というのは、アデルではなく「あなた」に向けたもの。
そして最後の1つは、レナードからの「温室に来て」というもの。
しかしこれはレナードからの一方的な願いであり、アデルは承諾していない為「約束」ではありません。
「1つは約束ではなかったね」というのがこれに当たります。
こちらも、レナードの為に温室へ行くのか、フラン・エリアスの安否の為に温室へ行くのかでも意味が異なってきます。
Q. ED7のレニーは死んだのでしょうか?
A.
実は、あのシーンでは死んでいません。
キャンディスはレナードが走ってきた時点で既に死んでいますが、レナードは大火傷を負うものの兵士達に引き離され、一命を取り留めました。
しかしその後「どうして一緒に死なせてくれなかったの」と自死します。
Q. 一日目の鏡の中のユリは本物(霊体)のユリくんですか?
A.
おまけ部屋のユリの解説にも書いてある通り、鏡に映ったユリは本物のユリではありません。
鏡の間の「血濡れユリ」、あれは犠牲になった歴代のポラールの融合物です。
つまり人体錬成の失敗作。 目が崩れているのはそのせいです。
「逃げて」と告げるくらいですから、彼らに敵意はありません。ちょっと怖いけど。
Q. 「白き王女と黒の国」で破り捨てられているのは誰がやったのでしょうか?
そのお話の結末が最後まで分からなかったので……。
A.
制作者的な裏話になりますが、あの童話、当初は最後まで結末が記載されていました。
ただ、アイテムの読み物としてあまりにも長くなってしまった為に「ルークが破り取った」ことにして、渋々カットしています。(ルークごめん)
辛うじてデータが残っていたので、内容を掻い摘んで概要を記載させて頂きます。
▼
王女がアルビノだと知らずに「他人の子を産んだという勘違い」で王妃を殺害した王は、その後王女まで手に掛けようとします。
しかし生まれたばかりの王女に指を握られた瞬間王は殺意を失い、己の大罪を自覚。
そして、もし実の子供ではなくとも、贖罪として王女を自分の手で育てると決意するに至ります。
その数年後、王女が先天性色素欠乏症という病気であったこと、紛れもなく自分の子供であったことも判明し、王は更に罪の意識に苛まれます。
娘には自分が母親を殺したことは告げていませんでしたが、ある日成長した王女が「どうしてお母様は死んでしまったの?」と問うと、王は遂に重い口を開きます。
「私が殺したのだ」と。
それを聞いた途端王女は泣きながらその場から走り去りますが、彼女はどうしても父親を憎むことが出来ませんでした。
もし本当に父が母を殺していたのだとしても、ここまで自分を育ててくれたのは、紛れもなく父なのだから、と。
王女が成長するまでの間、王は間違いなく彼女にとって尊敬出来る理想の父親でした。
その後王女は王を赦しますが、王妃を殺したという事実を国民に隠しておくことはせず、王は民に己の罪を告げました。
そして王は王女に見守られる中処刑され、王女が新たな女王として黒の国に君臨したというところで物語は終わります。
ご覧の通り、この童話にはアデルと重なる箇所がみられます。
ルークが思わずこれを破り取ったのはそれも一因がありますし、それ以上に自分自身とも重ねてしまったから。(どんな親でもやっぱり自分の親だから、という点で)
でも、本は大事にしましょう。オスカーに怒られます。
Q. ルカってエンド1しか救われない気がする……。目立たないのに結構辛い思いしているのでは?
A.
仰る通りです。
彼の解説にも記載していますが、ルカはどのEDでも人知れず不幸になってます。
ED1以外シュテルンツェルトでは誰かが必ず死者として犠牲になっていますが、ルカの場合は逆に生者としての苦痛を味わう羽目に……。
ED1後は存分にアデルと仲良く平和に過ごして欲しいです。(が、そうも言ってられなさそうです)
Q. ストーリーとは関係ないんですが、クリシドってもしかして色んな所に童話要素が散らされてたりしますか?
A.
気付く方がいるとは思っていなかったので驚きました。
仰る通り、ストーリーとは全く関係ありませんが個人的な趣味で各地に童話要素を散らしています。
白雪姫、人魚姫、美女と野獣、眠れる森の美女、赤ずきん、不思議(鏡)の国のアリス。
今知った!という方はもし良ければ探してみてください。
本当はシンデレラやヘンゼルとグレーテルも入れたかったんだよな…とちょっとだけ心残りがあるのは秘密。
Q. ED1以外他のエンドのエンディングのエンドロールに流れているのはAgnus Deiではないですよね?なんという曲ですか?
A.
ED1以外のED曲や劇中に使われている合唱曲は、海外のフリー音源サイトからお借りしているものです。
ED2『Stabat Mater』※ver1以前
ED3『Benedictus』
ED4『Kyrie』
ED5『Agnus Dei』(◆ED1とは同タイトルの別の曲です)
ED6『Feria VI』
ED7 『Cantique de Jean Racine』
Q. ED4のレナードはユリの元へいけたのでしょうか?
A.
数々の大罪を犯した彼ですから、ユリにはまず会えていないと思います。
ただし、彼も彼で一応被害者である部分もあるので「神」が赦してくださるのなら、きっと少しは救われるかもしれません。
Q. アデル達の国とかノーチェアーテルという架空の国ありましたが、どんな国をモデルにしてるのですか?このゲームの舞台にイギリスやフランスなどはありますか?
A.
明確なモデルや時代があると創作の自由度が下がってしまうかなと思い厳密には設定していません。
しかし、一応オーストリア(ウィーン)等のヨーロッパ諸国は念頭にありました。音楽の都とかで。有名な少年合唱団もありますからね。
造語や単語の節々には英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語等が混在しています。
ちなみに、「ユリ」という名前はフィンランドの男性名。
あとは、事前知識の差でストーリー理解に差が出ないように、という思いがありました。
その為、人によってはかなり緩い西洋・歴史設定に映ると思います。
ちなみにノーチェアーテルは何となく北欧モデルです。
「日本」が特例なだけで、当世界観では「架空の国+日本」なので、イギリスやフランスは存在しません。
Q. ED3のエルとフランのこと、ユリ(アデル)は気付いているんでしょうか……。
A.
殴られて意識を失った後は、銃声を聞いたことも、レナードの話も何も覚えていません。
207号室のあの部屋に2人の遺体を運んだのはレナードなので、ユリは何も知らないままシュテルンツェルトを去ります。
Q. ED6のフランは一応生きてはいるんですよね?そうなるとエリアスは一体どうなるのか気になります。
A.
生きてます。あの後のエリアスは制作者も気になりますね。
目の前でアデルを失っていますから、既にその事で心は折れていると思いますが、きっと地下には向かうでしょう。
フランとの約束を果たせなかったわけですから……。
その先は、皆さんのご想像にお任せします。
追記:そんなことを言いつつ「もしもフランと再会したら」という簡単なSSを書きました。
Q. ED1以外のミシェルは留学するらしいですが、彼も彼でアデルと出逢っていないわけですし、ちょっと心配にはなりますね……。ちゃんと医者になるんでしょうか。
A.
医者にはなれると思います。ただし、長続きするかどうかは分かりません。
人知れず病んでいる彼には、ED1こそ自殺願望はありませんが、それ以外の世界線では果たしてどうか……。
追記:もしかしたらこんな姿が見られるかもしれません。
Q. ED4のラストで森の入り口にいるのはキャンディス先生ですか?
A.
そうです。彼女はレナードを弔う3人を陰から見守っていました。
多分、3人が去った後再び1人で彼の棺に祈りと悔恨を捧げるのでしょう。