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#1 ある親友と幼馴染の話

僕のこと、覚えてる?」

……あのね、覚えてなくてもいいよ。

久しぶりに会う君は「僕が知っている君」とは随分変わっていて、

僕を一目見るなり、不安そうな声で「こんにちは」なんて言うから。

初めは酷く哀しくて、喪失感と怒りに押し潰されそうにもなったけど。

それでも君が生きていたことの方が、やっぱり何よりも嬉しくて。

だから、

君が僕を忘れてしまったことなんて、きっと些細なものだ。

きっと。

きっとね。

そんな君の

▶︎ [赤い瞳に]  [青い瞳に]

映る僕の顔は怖いくらいに穏やかで、

“他人”を映す瞳の色はこんなにも虚しいのだと初めて知った。

でも大丈夫だよ。

覚えてなくても、いいよ。

君に「初めまして」と言われるのは、

▶︎ [今日で3度目だ。]  [今日が初めてだ。]

また、“初めから”やり直そう。

 

ねえ、ユリくん。

おれのこと、覚えてる?


あのね、“覚えてなくて”、いいよ。

​思い出さなくていいよ。

​……どうか、何も思い出さないで。


 
【あとがき】
「覚えてなくてもいいよ」から始まるED3/6の後日談が見たいなと思っただけの覚え書き。
解釈によっては若干メタい。(すみません)
選択肢でエリアス視点か、ルカ視点かが変わります。最後は勿論レニーの話。

ED3は結局警察に保護されるんじゃないかな~と思っているので、その後無事に(?)ルカとアデルが再会出来たという設定で読んでください。
しかしルカもエリアスも、この後どうするんでしょうかね……(丸投げ)
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