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CharacterVoice Recruitment
キャラクターボイス結果

翡翠の紅茶屋における生成AIとの付き合い方について

作者の紅屋翠です。

選考結果の前に、今回の応募条件であった「生成AIを使用していない方」という点について、私個人の見解をお伝えさせてください。

この点においては、応募時に多くの方が疑問を持ち、一部では応募を諦めた方がいらっしゃったかもしれません。

誠に申し訳ございませんでした。

​しかしながら、今後もこの条件を変えるつもりはございません。

長文ではありますが、今後弊サークルについて何らかの形で力添えをお考え頂いている方はご一読頂ければと思います。

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総応募数 87

沢山のご応募ありがとうございました!

改めまして、この度はSacred Syndrome CV募集第一弾にご応募頂き、誠にありがとうございました。

新しい応募がある度にドキドキしながら、全ての音声を余すところなく拝聴させて頂きました。

初めてのCV募集であったこと、女声少年という限定的な募集であったことから、なかなか応募が集まらないのではと危惧しておりましたが、対象声優様以外の方々にも宣伝のご協力を頂けたお陰で、沢山の魅力溢れる声優様と出会うことが出来ました。

数々の素敵なお声に舞い上がった反面、ここからお一人ずつ選ばなくてはならないという贅沢な状況に終始頭を悩ませておりましたが、共同審査員いろりの力を借りながら、この度最終決定をさせて頂くこととなりました。

しかし、その殆どが皆様のご期待に沿える結果にならなかったことを予めご了承ください。申し訳ございません。

また、募集概要に記載していた通り、現時点での採用者様の公表はありませんので、こちらでは採用者様の有無のみ発表させて頂きます。

​※採用者様には既に連絡・承諾済みです。

選考結果

エリアス     … 採用者なし・決定 ※後述

応募割合 約66%(倍率:57倍) 最終選考時 1名→なし

フラン      … 二次選考+追加募集

応募割合 約79%(倍率:69倍) 最終選考時 4名→1名→二次選考・再募集

​エリック&ルーク … 決定

応募割合 約71%(倍率:62倍) 最終選考時 5名→2名→決定

ミシェル(少年期)  … 追加募集

応募割合 約60%(倍率:52倍) 最終選考時 2名→再募集

今回の音声企画で作者が声優様に最も求めることは、「作者が文字と絵で表しきれなかった表現」です。

台詞の間、息遣い、笑い声、泣き声、叫び、苦しみ……(本作に関しては咳なども)。

これまで視覚情報がメインであった本作を、声の力で彩って頂く。それが何よりも声優様に携わって頂く意義だと思いました。

今回の選考では、①声イメージの合致度お芝居(感情表現) 他キャラクターとのバランスを主とし、そこから少年らしさ音質などを加味して判断しました。

③については、特にレナード(最高音)、アデル(中高音)との比較を行っています。

頂いた音声はどれも素晴らしく、​作者が想像していなかったキャラクターの新たな一面や可能性を感じることが出来るものばかりでした。

前提として、皆様のお声そのものに優劣をつけた結果ではないことをご理解頂けましたら幸いです。

以下は、各キャラクターごとの詳細です。

(※緑文字は紅屋の事前声質見解、ピンク文字は共同審査員いろりの事前キャラクター見解です。)

エリアス

 

沢山のご応募を頂いたにも関わらずこのような結果となってしまい申し訳ございません。

エリアスは採用者なしということで選考を終了致しましたが、現時点で既に声優様は決定しております。

初めにお伝えさせて頂くと、「エリアス単体として聴いた場合」には素敵な声優様が沢山いらっしゃいました。

しかし、最も掛け合いの多い「フラン」と、最低音である「クラウス」を考慮した際に「声質」「声の高さ」などがどうしても合わないという状況に陥ってしまい……。

大変心苦しくはあるのですが、今回は改めて応募者様以外で再検討をし、最終決定をさせて頂きました。

(※同じ台詞サンプルを頂いた上で判断しております)

以下はエリアス選考時の感想です。

二面性であると伝えていた彼の表の顔を、可愛らしいアイドル系で演じるか、王子様系で演じるか、はたまた別のアプローチをするか、そういった違いがあったのも非常に興味深かったです。

彼は可愛さも綺麗さもかっこよさも備えている難しい役どころなので、どれも間違いではなく……。

その中で、作者といろりの間で特に合致していたのが「お姉さんを誑かせそうな声」でした。

たまには悪い子に…」がそれに相当します。しかし、その低音がクラウスよりも上回ってはいけないという制約がある為、選考に苦戦しました。

そして、彼の一番の見せ場はフランの死に際する大泣きシーンです。

全エンディングの中で特に人気の高い場面なので、ここだけは絶対に妥協が出来ないと思い、無理を承知で選考ボイスにさせて頂きました。

双子の方が応募率高かったのが意外……と言おうとしていたんですが、よくよく考えれば「号泣演技」がある時点で足が遠のくのは分かります。そりゃそうだ……。

声色を重視するか、泣くお芝居を重視するか……そこにおいても非常に頭を悩ませたポイントです。

沢山のエリアスを泣かせてしまったので、とても心が痛かったです。

喉への負担も掛かる無理難題に応えてくださった皆様、本当に本当にありがとうございました。素晴らしいお芝居でした。

「少年らしい中音でよく通る、女声声優さんの王子様系のキャラを想像しています。年上お姉さんを誑かせるような。舞台上から微笑みながら手を振ってくれそうな。でも、可愛らしい一面もあって……そしてそこからの温度差!でも低すぎるとクラウスを越えちゃうし、でもルークよりは低くなきゃいけなくて。制約が多すぎますね。あとは何よりも大泣き。あそこだけは絶対に譲れなくて……

​「エリアスとフランはあくまで対等なので、彼がフランを見下すような、小馬鹿にするようなことはないんですよね。でもちょっと揶揄うような一面は欲しいから、その塩梅が難しい!結局はディレクション次第な気もするし……。声質は貴公子系。耳触りが良くて爽やかすぎない、でも知性も感じて、必要に迫られれば人を見放す冷たさを内に秘めてる感じですね」

フラン

全く想像していなかったのですが、フランの応募数が圧倒的に多く……!

もしかしてクールキャラって演じやすいのかな?と色々なことを考えました。

自力ではどうしても4名から選びきれず、それと同時に立ちはだかったのが、「ルーク(双子)とどちらにするか」。

いろりの意見を聞きながら1名まで絞り、そこから再び悩みました。

まず第一声目の「煩いな、ちょっと黙って」。

これは主人公との初対面でフランを印象付ける大事な台詞なので、とにかくここで「あ、フランだ」と感じるかどうかを基準に選考を開始しました。

また、彼は成長期が遅刻している為、声自体はやや高めでありながら、普段は喋り方の影響であまり高くは聞こえない、という絶妙なイメージがあります。(実はエリアスとは13cmの身長差がある)

それが「は、はぁ!?」で崩れるので、その瞬間に如何にギャップと可愛らしさを感じられるか、という点を重視しました。最初の「煩いな」と2度目の「煩いな……」の演じ分けにも注目しています。

また、フランは作中で殴られたり刺されたりする場面があるので、そのお芝居もとても重要でした。

 

いろりと2人で何度も検討したのですが、どうしても「頂いた音声だけでは判断出来ない部分がある」という結論に至った為、二次選考追加募集を行うことに致しました。

例えば、声優様個人のボイスサンプルにある他の音域で再度聴きたいというパターンや、お芝居を変えたバージョンなど。

尚、二次選考は最終選考内でお名前が挙がった方、追加募集は新規の声優様のみの応募条件で行います。

 

しかしこちらも重複するようですが、フラン単体で聴けば素晴らしい声優様ばかりでした。

少年の人数が多い分、全体のバランスの難しさを痛感しております。

「若干空気の混じったようなサラッとした中高音。でも、しっかり男の子!可愛らしさが出るのは極稀。

高音でつんざくような子供らしいレニーと違って、フランの高音はつんざかない。そして何よりもエルとの高低差と声質の差が大事。お芝居面で個人的に重視したいのは、彼が作中で唯一声を荒げる時の『答えろ!』です」

「『やれやれ仕方ないな……』ってこっちのことをどうしようもない奴だと思ってても見捨てない。慈悲は欲しいけど、簡単には譲らないんですよね。大事な時にだけ優しさを見せてくれるから重みが増すというか……。本気の懇願にだけ『まぁそこまで言うなら……』って渋々答えてくれるのがフラン。

あとは、ビックリすると裏返っちゃうプリティーな感じ。押せばワンチャンある感じ。

声は若干高めだけどトーン自体は落ち着いてて、かといってダウナーではないかな。

選考に関しては終盤のお芝居も大事だけど、私は『はぁ!?煩いな……』に拘りたいです」

エリック&ルーク

双子に関しては、とにかく一人二役凄い!!と感激していました。

また声優さんに無茶を言っているという自覚があったので、もれなく全ての双子を拝み倒しました……ありがとうございます。

​お芝居はエリックとルークで全く違う声色だったり、同じ声で読み方を変えて差別化されていたりと、様々。

ここに関してはどちらの方が良いということもなく、声優さんにお任せしようと思っていました。

エリックの「男の子っぽい」の解釈も様々で、「少年」という存在の無限の可能性を感じました。

その中で作者が最重視した点は、エリックの「冗談だよっ!」と怯え、「君には関係ないよ」「ルークは僕だよ」でした。

陽気さから一転した恐怖感情と、ルークの無慈悲さや、悲しみ。

本作は正の感情よりも負の感情が強く出るので、全体的にそちらのお芝居が選考基準のウェイトを多く占めています。

他キャラとの比較で言うと、双子は中音域のキャラクターである為、エリックの快活さ、音域が「レナード」と混同してはならず、ルークは、トーンはアデルと、低音はエリアスを越えてはならないという絶妙な立ち位置でした。

一人二役である都合上、本当に難しい選考でしたが、この度ベストな声色と演じ分けを披露してくださった声優様にエリックとルークをお任せさせて頂くことになりました。

「双子と言いつつ、実はエリックとルークの声質イメージって結構かけ離れてるんですよね……。

ルークは分かりやすく綺麗め少年って感じ。エリックは、それをもっと快活にして、THE男の子!って感じかな……。ある程度応募頂いた音声を聴いて判断したい部分があるかもしれない。ルークの『本音』は、冷たく無慈悲でいて、でも愛されることを諦めきれなかった複雑さが感じられると最高です」

「エリックは隣の家の歳の離れた年下の男の子感があって、甘えた声よりも『ボクもアイス食べたいよ〜〜!お姉ちゃんだけズルい!』みたいな意味合いが似合う感じ。ルークは『お兄ちゃん』よりも『お姉ちゃん』気質っぽくない?声もサラリとしてるんだけど、しっかり者なお姉ちゃんみのある喋り方(もちろん少年なんだけど)。でも実は自分も甘えたいから、ベルさんみたいな『落ち着きすぎ』な感じじゃなく声自体は高めなイメージ」

ミシェル

作者の中では、分かりやすい王道の美少年ボイスのみを想像していました。

どちらかというと、エリアスに近しい声色ですね。

ただ、いろりの見解を聞いて確かに……とも思ったので、やはり外部の意見は大事です。

実際、低音のかっこいいミシェルも凄く凄く良かったですし、逆に高めで幼いミシェルもこれはこれでめちゃくちゃアリ!!と思いました。THEショタ!可愛い~!

本編で台詞が登場するのは13歳頃のみですが、それ以前からずっとクソガキではあるので、幼め舌っ足らずなミシェルも実際には存在したと思います。

可愛い声でたどたどしく「人の誕生日に気色悪い好意を紛れ込ませてくる奴」とかいう長文を発するするのが、個人的にはまた一興でした。

しかし最終的には13歳というストーリー上重要になる年齢を重視し、中性的でありながら強いミシェル少年を欲していた為に応募内では決めきることが出来ませんでした。

彼はミシェルの「過去の姿」である為、メインキャラクターとの比較には直接影響しなかったのですが、「現在のミシェル」との比較が必要だったという事情もあります。

​「王道な高潔美少年イメージ!とにかく中音の美少年らしい良い声で罵ってほしい!頼む!でも、高音への音域幅があると13歳未満のショタ時代もお願い出来るから、可能であれば可愛いショタも両立出来る方だと嬉しいかも……欲張り過ぎなのは自覚しています。台詞的に若干小者感が否めないけど、ミシェルは今も昔も圧倒的強者でないといけないので、お芝居的にはアルバとの差別化を図りたいです」

「育った後がイケメンなのは確定してるんですが、逆に言うとミの幼少期ボイス、どのテイストでも“美味しい”んだよな、おぢさん的に……。クール美少年系ボイスでもイメージ通りだし、儚い系の声でもおぢさんはブヒれます。

でも、幼くても心意気は強者であってほしい。可愛くても強い。ホラーで偉そうなこと言って最初に死ぬ小者はアルバだから。見せしめに処刑されるのはアルバだから……」

重ねてになりますが、ご応募頂いた全ての声優様が本当に素晴らしく、今回の5人ではなく他の少年として起用させて頂きたいと感じる場面や、大好きな声であるにも関わらず拙作にはいない系統の少年であるが故に採用を見送らせて頂いた方が多くおりました。

実際に、現在サブキャラやディアフロ(制作中のゲーム)でご依頼を検討している方が複数名いらっしゃいます。

勿論基本的には採用不採用関係なく、ただただファンになってしまった声優様ばかりです。

寧ろそんな素敵な声を元に、新しくキャラクターを作りたいと考えてしまったほどでした。

 

そんな中、今回の選考で決めきることが出来なかったことは本当に心から申し訳なく思っております。

言い訳がましくなってしまいますが、メインキャラが全員女声少年である事、声が後付けの作品である事、キャラクターの関係性や設定的にかなりの制約があった事。

特に本作は「声が後付け」という形態である手前、どうしても慎重にならざるを得ませんでした。

この人で良いか、などという気持ちで決定することは、ご応募頂いた方にも、その声優様にも、作品ファンの皆様にも失礼極まりない行為であり、絶対に出来ません。

つきましては前述のとおり、フランは二次選考と追加募集、ミシェルは追加募集、更に、今回低音域の声優様が多かったことから、急遽最後のメインキャラクター「クラウス」の新規CV募集を行います。

今回このような結果になっている手前図々しくお願いすることは出来ませんが、低音男子(女声)を得意とする方がいましたら、ご応募をお待ちしております。

また、「不採用ならば余計な連絡は要らない」と感じられる方も多くいらっしゃるかとは思うのですが、わざわざ貴重なお時間を割いてご応募頂いたことへの感謝や、皆様それぞれの素敵な点を一言もお伝えせずに終えるというのは、いちクリエイターとして耐え難いものです。

その為、今回ご応募頂いた全ての方に、簡素なものではありますがお礼と感想をお送りさせて頂きます。

(17日以降順次。一方的にお礼をお伝えしたいだけなので、ご返信は不要です)

改めまして、この度は沢山のご応募誠にありがとうございました。

詳細の書かれていない粗末な台詞から、皆様が各々感情を汲み取りキャラクターを演じてくださったこと。

心から感謝を申し上げます。

二次選考、追加募集、クラウスの選考については以下をご確認ください。

​※本選考におけるご質問は受け付けておりません。ご了承下さい。

​2024.04.16 紅屋翠

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